断食のススメ

断食を始めたきっかけ

元々断食に興味があったのですが、なかなか踏み切れずにいました。そんなとき、もう何十年も定期的な断食を実戦し、十分に断食の効果をご存知の方が、断食を薦めて下さいました。

その方(以下、A先生と呼びます)は還暦を過ぎているのですが、見た目は40代半ばにしか見えず、体脂肪率は3%以下、しなやかな身体を持ち、合気道の師範で、一日に2~3時間しか眠らなくても生き生きと活動されており、100メートルは11秒台で走るそうです。科学技術のお仕事をされており、日々のお仕事に加えて、一日に50本以上の論文を読まれるそうです。

スーパーマンのようなA先生には、元来大変な能力があったのは間違いありません。そんなすごい方でも、定期的に断食をして体調を整え、ご自身の体質を改善してきたとおっしゃいます。始めた当初は辛かった断食も、今では日常の仕事や身体的なトレーニングに支障を及ぼすこともなくなり、逆に身体に対する負荷が少なくなる断食期間中の方が、パフォーマンスが上がるとのことです。

私はA先生にあこがれ、どんな能力が自分に隠されているかを知りたくて、断食を始めました。空腹感や栄養不足による倦怠感は辛いけど、この先にまだ見ぬ自分がいる、想像だにしなかった自分がいると思えば、我慢もできましたし、断食後の変化を楽しみにできました。

断食の目的

断食は体質改善を目的としています。一回の断食だけでは改善した体質がすぐに元に戻るので、定期的に断食をして、改善した体質を安定化し更に増進させることができると、A先生に教わりました。

断食をする目的は次の通りです。これら目的を達成するには最低一週間は断食する必要があるとのことです。

目的1)消化器を休ませる。
目的2)消化活動で使っていたエネルギーを、身体の他の部分の代謝や修復に向かわせる。
目的3)食事を断つことにより、脂肪などの体内の不要なものを栄養として処分する体質にする。
目的4)一時的な飢餓状態に置くことにより、自律神経の追従幅を拡げる。

この他にも、「痩せる」、「断食に耐えると、自信が付く」、「休肝日も自動的に取れる」などの余録の効果がありましたが、本来の目的は上の4つです。

断食の効果の実感

効果1)消化器が休まった

これははっきりと効果が自覚できます。食事をしていないので身体が疲れず、睡眠時間も短くて済みます。しかし、起きている時間は何かに没頭していないと、空腹感を紛らわすことができません。ここが辛いですね。

効果2)消化活動で使っていたエネルギー、身体の他の部分の代謝や修復に向かった。

私は腰痛持ちです。断食中は活動量が減ることも相まって、断食後は腰が痛かったことも忘れていることもあります。

目もかなり良くなりました。両方とも片目視力0.3だったのが、今は両方とも1.0程度に回復し、老眼もなくなりました。今は小さい文字も読めますのです。これが一番、有難かったです。でもまだ目が疲れやすく、長時間の読書は難しいです。目の水晶体は3週間の断食できれいになるそうですが、ここまではまだ挑戦できていません。

老廃物が排出されたとの感覚は確かにあります。血の巡りがスムーズになった感じがあります。断食が明けて、普通に食事をするようになると、徐々にゴミが溜まってきた感覚が出てきて、頭の回転が遅くなったり、疲れやすくなります。何がどう作用しているのかは分かりませんが、私の実感です。習慣的に断食を繰り返すと、ゴミの処理も奥深くできるようになるのかもしれません。

“消化活動で使っていたエネルギー”の1つに免疫機能があります。食事を取りますと、小腸から外部のものを取り込みますので、身体中の免疫細胞の7割が小腸の周辺に集まって、これらの外部のものを処理すると言われています。

検証!小麦は身体に悪いのか」で紹介しましたように、リーキーガットになってしまっていますと、大きな分子もどんどん血管の中に入ってきますので、ますます免疫細胞が忙しくなります。

断食はこれら免疫細胞たちの大変な重労働を解放し、免疫細胞に体内のほかの部分をパトロールできるようにします。免疫細胞が安心して小腸周辺を離れ、本格的にパトロールを強化するには、一週間の断食が必要とされています。これが、断食をすると免疫力が上がる理由です。

断食で免疫力が上がると、空腹なのもあって、免疫は癌細胞などの不要なものをどんどん処理し、自分の身体にとって必要なものに変えてくれます。

船瀬俊介氏は断食が病気療養に大変良いと薦めておられます。確かにそうですが、食事を始めるとすぐに元に戻りますので、免疫力を上げた状態をできるだけ長い期間維持するために、定期的に断食をする必要があるわけです。また、暴飲暴食は小腸付近の免疫細胞の仕事を無駄に増やしますので、控えるべきです。

私は断食をしなくても、風邪一つ何年もかかっていませんので、断食の病気療養効果は実感していませんが、活力は戻ったと実感しています。

効果3)食事を断つことにより、脂肪などの体内の不要なものを栄養として処分する体質になった。

断食2日目までは、空腹ではありますが、まだ体内に残っているエネルギーを使って普通に生活が出来ます。3日目になりますと、それも尽きてきて猛烈な空腹感が襲ってきます。しかしその空腹感も4日目ぐらいになるとそれが治まってきます。身体が「こいつ、飯を食わないと決めとるな」と思い、あきらめて脂肪を分解しエネルギーにし始めるようです。

5日目になりますと、空腹感はあまりなくなり、倦怠感が増してきます。初めて断食をしたときは、5日目からは元気がなくなり、最終7日目は死んだようにじっと寝ていました。

初めは身体が脂肪分解するコツを掴んでいなかったのでしょう。慣れてくると、だんだん普通の生活ができるようになりました。A先生によると一週間目が一番きつく、二週間目に入ると楽になるそうです。私は2週間の断食を一度やってみましたが、やっぱり2週間目も変わらずにしんどかったです。まだまだ初心者なんでしょうね。

効果4)一時的な飢餓状態に置くことにより、自律神経の追従幅が拡がったか?

断食に耐えるために、身体が色々と変わっているのは間違いないでしょう。今まで取っていた栄養が途切れるので、何とか身体を維持するために、あらゆる方法を使って努力するでしょう。

その身体の努力の結果、自分でも知らなかった能力が発揮できたら楽しいですが、まだ具体的に「こんなことが普通にできるようになった!!」との実感はありません。

断食には若返り効果があると言われています。出来ればA先生のように100mを11秒台で走りたいものです ^^/

断食中の過ごし方

私は断食に入る準備を特にしません。普通に過ごし、断食開始当日に、急に食べなくなります。

断食中は基本、A先生のやり方に従っています。

  • 飲料は水、或いは無添加の野菜ジュースかフルーツジュース、カフェインレスのお茶。
  • 塩は摂らない
  • 代謝を促すため、入力と排便はできるだけ毎日する
  • 筋力を落とさないようするため、普段通りに運動する

断食と言いながら、カロリーのあるジュースを摂るのは邪道ではないかと言う人もいます。ですが、実際にジュースを飲んでも断食効果があるのは確かです。

人によっては、ジュースを4リットルも飲む方がいます。そこまで飲むと、1000kcal以上を摂取することになるんですが、それなりの効果はあるようです。

私の場合は、ジュースは飲んだり飲まなかったりです。耐えがたいときに、1日500cc程度のジュースを自分に許しています。ジュースも断ちたい氣持ちが強いのですが、7日間の断食をジュースなしで耐え抜いたことはありません。。。

また、断食中の運動はとても大切です。何も運動しないでいますと、エネルギー源として最も活用しやすい筋肉が真っ先に消費されてしまいます。運動して「この筋肉は必要なものだ」と身体に宣言し、筋肉ではなく脂肪などの不純物をエネルギー源にしてもらいましょう!

断食後の過ごし方

断食中よりも断食後の過ごし方がとても大切です。ここでいきなり食べたいものを食べてしまうと、身体を壊すことにもなりかねません。

断食が明け、少し食事をしますと、身体が喜び、食欲がどんどん出てきます。ですが大量に食べたり、我慢していた消化の悪い食べ物を取ると、何日も動いておらず働くことに慣れていない胃腸が悲鳴を上げます。

私は、2週間の断食明けの二日目に脂っこい食事をして、その後3週間ぐらい胃が痛く、苦しくて仕方なかったことがあります。

断食明けは胃腸とよく相談するようにして、体調をよく確認して食べるものを決める必要があります。自分が食べたいものではなく、胃腸が受け入れられるものです。

相談の仕方は、食べようと思ったものをテーブルに出して、これを食べた後どうなると思うって胃腸に聞きます。「うっ、辛くなりそう」と答えれば、控えることにしています。

断食明けのメニューは大体以下のようにしていますが、氣分で変わります。

  • 断食明け直後の食事は、大根と梅を柔らかく煮た梅流し。
  • その後3日目ぐらいまでは、オートミールを柔らかく煮たもの、薄いお粥、スープ、豆腐などの柔らかく消化にいいもの。
  • それから徐々に堅いものにしていき、5日間ぐらいで元の食事に戻す。

でもやっぱり断食は辛い

断食の様々な効果、断食明けの注意点を書き連ね、あたかも私が断食優等生のように書いてきましたが、全然違います。

断食に入ろうとして入れず、何日も先延ばしにして、結局は止めてしまったりしたことも何度かあります。何度やっても気楽に断食に入ることはできません。断食のつらさを知っているので、断食に中々入れないというのもあります。

断食明けに我慢出来ずに、消化の悪い食べ物を食べて、体調を壊したことも何度かあります。意思は強くありません。

普通に食べたら良いじゃないっという思いに負け続けて、この4ヶ月間断食をしてませんでした。

結局は覚悟です。断食中にどんなことが起こってもやり切るんだとの覚悟が、何度経験しても必要だとこの4ヶ月間で学びした。今からもう一度覚悟を決め直して、断食を再開できるようになりましたら、報告しますね。

長文を最後まで読んで頂き、ありがとうございました ^^

あみんこと網野忠文

食と健康

Posted by amin_itsu