なぜ消費税を引き上げるのか?

2022年8月3日

まず初めに、前回の投稿の補足説明をします。【永久国債化】のところで次のように書きました。

2)  日銀が保有する国債の利息は、日銀株主である政府の利益である。

少し気になりましたので、日銀が会社としての利益をどう処理しているかを、もうちょっと丁寧に調べました。
まず、日銀のサイトに、以下のような説明があります。

日本銀行の利益

「日本銀行が得た最終的な利益、すなわち、所要の経費や税金を支払った後の当期剰余金は、準備金や出資者への配当に充当されるものを除き、国民の財産として、国庫に納付されます(日本銀行法第53条)。これを国庫納付金といいます。」

では、出資者への配当はいくらなんでしょう?日銀がユダヤ資本に冒されており、多額の配当がユダヤ資本に流れていれば、国庫にはほとんど戻らないでしょう。

日本銀行出資証券について

ここの2ページ目に、次のようにあります。

「日本銀行の剰余金の処分に当っては、財務大臣の認可を要することとなって おり、配当の率は額面金額(1口100円)に対して年5%を超えてはならないと定められています(日本銀行法第 53 条第 4 項)。」

日銀の発行済み株式数は100万株です。一株あたりの最大配当は5円ですから、
日銀の全配当は最大でも5円*100万株=500万円ですので、国家予算と比較しますと無視できる金額です。

従って、国債の利息のほぼ全てが国庫納付金として政府に返納されることになります。確かに日銀が国債を持っている限り、国が返済すべき元金も利息もありません。

???それでは一体何故、財務省はこのままでは借金で国が潰れると危機をあおり、消費増税を主張し続けるのでしょうか?

消費税を上げることは、我々の貯金などの資産価値が下がることを意味し、消費行動が抑圧されて景気が悪くなり、税収も落ちます。そして何よりも消費税を少々上げたところで、国の借金の返済にはほど遠いです。一体なんのために消費増税をいつまでも目指すのでしょう?

その理由について、三橋貴明氏は「日本が国債破綻しない24の理由」に次のように書いています。

(引用始まり)財務省設置法の第三条「任務」に、財務省の役割について以下の通り定義されているのだ。

『(任務)第三条 財務省は、健全な財政の確保、適正かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な管理、通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保を図ることを任務とする。』

上記の通り財務省の「任務」の一つに、健全な財政の確保が明記されている。「健全な財政」とは、曖昧な表現だが、少なくとも財務官僚は「財政均衡主義を貫くこと」と、解釈しているようだ。(引用終わり)

財政均衡とは経常収支と経常支出が一致していることです。言い換えれば赤字国債を出さないことです。今、ここにこだわるタイミングではないと思うのですが、そのように躾けられた集団だからしょうが無いのですかねー 私にはその動機が分かりません。

一方、資本金が1億円を超える普通法人の法人税率は、1989年の法人税率は40%、現在は23.2%と下がっています。海外からの投資を呼び込むためと、国内企業が税金の安い国に逃げ出さないようにするためだそうです。グローバリストが運営するグローバル企業の要請に応じたものでしょう。

消費税は景気の浮揚に左右されにくい非常に安定した財源であると同時に、法人税減税の財源にする目的もあるようです。

多額の安定財源として消費税は理想的です。ですが、消費税率を上げれば上げるほど予算を組み安いとうのは、財務省の勝手な理屈です。希代の悪税と呼ばれる消費税をすぐに無くせとは言いませんが、少なくとも縮小する方向を検討する時期に来ていると思います。

あみんこと網野忠文

政治経済

Posted by amin_itsu