プレゼント

小学校3年生のころだったと思います。私はカブスカウトに入っていて、隔週日曜日に山に登ったり、ボランティア活動したりしていました。色々あった行事の中で、強烈に覚えているものにプレゼント交換会があります。

色んな地域のカブスカウト団がとある小学校に集まってクリスマス会を開きました。いろんな方のご挨拶や展示物の見学等々があり、最後にお楽しみのお茶会とプレゼントの交換会がありました。

私はこのプレゼント交換会が楽しみで仕方ありませんでした。上の学年の人に昨年もらった素晴らしいプレゼントの自慢話をきいたり、大人たちも「みんなこの交換会が大好きで、毎年お友達からもらったプレゼントを大喜びして帰るんだ」と、胸のふくらむ事言います。よその子はどんなプレゼントを持ってくるんだろう?きっと自分には想像もできないようなものなんだ!どんなプレゼントが自分に回ってくるんだろう?

プレゼント交換会用のプレゼントは自分がもらったら絶対に嬉しいと思うオモチャを、きれいに包装してもらって持って行きました。もらってくれた子は喜んでくれるかな?大切につかってくれるかな?そんな思いをめぐらせて、いよいよプレゼント交換会を迎えました。体育館の中でカブスカウト全員が大きな輪になって、手に持ったプレゼントを廻し始めます。胸がドキドキします。どれが僕に回ってくるんだろう?あの大きなリボンがついたヤツがいいなぁ。とか思いながらプレゼントを回します。

頃合いを見て「ストップ!」と声が掛かり、プレゼントを回す手が止まります。それぞれの子が受け取るプレゼントが決まりました。その瞬間に歓声を上げる声もそこかしこに聞こえました。私の手には装飾らしい装飾もない紙の箱がありました。とても軽く、揺さぶるとカラカラと音がします。中身は確認せずに、そこで解散となりました。

帰宅してからプレゼントを開けますと、壊れたグリコのおまけのようなものが入ってました。何に使うのか、これが何のプレゼントなのか全然分かりません。しばらくそれを見ていると涙が出て止まらなくなりました。グリコのおまけは僕をあざ笑っていました。「お前にはこれで十分や」。あんなに楽しみにしていたのに!僕は精一杯の氣持ちを込めたプレゼントを持って行ったのに!そのお返しがこれなんて、あんまりや!!

抗議する相手も殴りかかる相手も見つけられず、ただひたすら泣きました。

これが人生で初めに経験した理不尽でした。大人になるとここまで傷つくのが怖いので、子供の頃のように信じ切ることはできません。しかし用心深くしていても、数年前に巧妙な罠にはまっていたことがありました。完全に信じ信頼仕切っていた方が、その信頼を利用するだけの人でした。まさか私の真摯な氣持ちを利用するなんて出来るとは思っていませんでした。

獣のような怒りを感じました。その火はまだ残っています。この怒りも私のものです。誤魔化さずに自分を許します。

それでは!!

氣付き

Posted by amin_itsu